トイレのしつけは難しい?猫ちゃんに『最適なトイレスタイルの見つけ方』をプロのキャットシッターが徹底解説!
こんにちは。横浜市で猫専門のペットシッターをしている西谷「ねこのお世話屋」です。
シッターは開業して7年目となり、いろいろな猫ちゃんの飼い主さんとお話しする機会があります。
その中でお世話に関する悩みをお聞きすることがあるのですが
「トイレについて」の悩みが非常に多いです。

正確にデータを取っているわけではありませんが、おそらく猫ちゃんの飼い主さんのお悩みナンバーワンなのではないかと感じています。
5匹の猫の飼い主でもあり、累計1800匹以上の猫ちゃんのシッティングした経験を元に
「おうちの猫ちゃんにとって最適なトイレスタイルの見つけ方」をご説明いたいます。
この記事の中で「トイレスタイル」という言葉を使っています。猫トイレ×猫砂の組み合わせと適当な所へ設置して使用することを指しています。
長くなりますが、ぜひとも最後まで読んでいただけると嬉しいです。
目次
1.どうして猫ちゃんのトイレの悩みを解決しなくてはいけないのか?
①「病気の予防」のため
猫ちゃんの飼い主さんであれば、猫ちゃんの疾患で多いものとして慢性腎不全があるのはご存じの方が多いと思います。
ちなみに慢性腎不全は腎臓に関する病気の総称のようなものです。慢性腎不全と呼ばれるものの中に、実際にはいろいろな疾病名があります。
(シッター自身は動物医療の従事者ではないので、詳しいことは控えます。)
ここでお伝えしたいのは慢性腎不全は、猫ちゃんに多い病気で、寿命を左右する恐ろしい病気だということです。
実際には100%完全に予防することは不可能に近いですが、「ならずに済むように」出来るだけ予防をしておきたいもの。
その為に、オシッコを我慢しないで排泄してもらうことが大切です。
その方法として、トイレのお悩みを解決する必要があるわけですね。

②飼い主さんの心の安定を得るため
おうちのねこちゃんが
・思ったようにトイレを使ってくれない
(または、今のトイレ環境が気に入っているかわからない)
・トイレ以外のところで排泄してしまう
というのが、2大トイレ悩みのように感じています。
それから、このお悩みを抱えている飼い主さんとお話ししていて思うのは
おうちの猫ちゃん想いの方が多く、またとてもデリケートな方が多いということです。
そして飼い主さんの気持ちがねこちゃんにも移って、ねこちゃんもデリケートになることによって、より悩みがつきないという負のループになっています。
あくまでシッターの感じていることなので、実際がそうであるかはわかりません。
だた、少しでもねこちゃんのトイレに関する悩みが解決できると、飼い主さんの心が安定して、もっと心穏やかに猫ちゃんに接することができるようになり、さらに関係性が良くなる気がしています。
2.猫ちゃんの生態から見る理想の猫トイレの設置場所
皆さんは、お外で暮らしている猫ちゃんがどのように排泄をしているかご存知でしょうか?
これは家猫の先祖であると言われているリビアヤマネコの生態と似ているのですが
①土のにおいをかぎ
②土を掘り
③排泄し
④排泄したところを土で埋める
という行程があります。
まず、土のにおいをかぐのは、天敵や他の猫のテリトリーでないかの確認のためです。
土を掘って排泄し、その場所を土で埋めるのは、自分のにおいを隠し、天敵や他の猫に自分の存在を隠すためです。
まずは猫ちゃんの生態として知っておいてください。

この生態から導かれる猫ちゃんにとっての理想のトイレの設置場所は以下のとおりです。
◆人の出入りの少ないところ
◆猫ちゃんが普段が過ごしている場所から離れすぎていないところ
◆ごはんをあげている場所と離れているところ
◆騒々しくないところ
以上の条件に当てはまる場所を探して設置しましょう。
それから設置をする「位置」も大切ですが、トイレの片づけをしやすいところであることも大切です。
ちなみにシッターの家では、猫用の部屋を作って、そこに集約しておいてあります。
猫用の部屋なら、人間の出入りも少ないです。
ごはんは台所であげるようにしているので、トイレがごはん場所と近い、というようなこともありません。
シッティングで伺うお家の猫ちゃんのおトイレとして多い場所は
◆キッチン
◆リビング
◆人間のトイレ
◆洗面所
などがあります。
3.猫ちゃんの生態から見る理想のトイレの大きさ
皆さんはよく猫ちゃんのトイレの理想の大きさを示す目安として
体長×1.5倍
という言葉をご存じでしょうか?
おそらくネット検索しても、猫ちゃんの飼養に関する書籍でも見かける言葉だと思います。
それでは、体長はどこから、どこまでの長さを指しているかご存じでしょうか?
専門的には「胸骨端より坐骨端までの直線距離」と定義されています。
難しいですので、だいたいは肩から尻尾を除いた胴体の直線距離だと思ってください。
胴体の長さ×1.5倍が理想的な大きさということですね。
どうして胴体の長さ×1.5倍の大きさが必要かというと
猫ちゃんは排泄している時に、体が何かに触れることを嫌う
からです。
野生であれば、砂地や土にするので何かが触れることはありませんよね?
それを実現するためにある程度の大きさが必要なわけです。
以前は、ノルウェージャンフォレストキャットやメインクーンなどの猫種によっては、市販されている猫トイレだと小さいという場合もありますが、今は猫専門の獣医師さんが監修している大型のトイレもあるので便利です。
ただ、この理想の大きさは、あくまで理想であって、猫ちゃんの性格によっては小さめのものでも大丈夫な子もいますし、逆にもっと大きくないと気に入らない子もいます。
あくまで目安として覚えていてください。
ちなみにシッターの家の猫トイレは、この理想の大きさより小さめのものもありますし、大きめのものもあります。

4.猫ちゃんの生態から見る理想のトイレの数
ここでも皆さんにお伺いします。
よく理想のトイレの数として
頭数+1
というのをご存じでしょうか?
おそらく聞かれたことのある方が多いと思います。
例えば2匹の猫ちゃんがいるなら、トイレは2+1=3で、3つあるといいということです。
10匹だと、11個トイレがあればいいということですね。
ただ、それだとちょっと少ないような気がしませんか?
単純に(トイレの個数)÷(猫ちゃんの頭数)で計算すると
2匹の場合は 3÷2=1.5
→1匹あたり1.5個
10匹の場合は 11÷10=1.1
→1匹あたり1.1個
となります。
ちょっとバランスに違いがありますね。
なので、このよく言われている理想の数の計算式ですが、あくまで目安だということです。
5匹の猫の飼い主でもあり、沢山の猫ちゃんのトイレを見てきたシッターとしては
◆ご家庭の状況
トイレの片づけが出来る人数、や在宅の時間が短い長い
◆猫ちゃんの性格など
デリケートでトイレが汚いと使わない、逆にずぼらで気にしない
同居猫と仲が良い、悪い
を考慮して個別に計算する必要があると考えています。
なので、2匹のケースですと
もし、トイレを片付けられる人が少なく留守がちで、猫ちゃんも極端の綺麗好きで
一度でも用を足されたトイレを使わないタイプであったら
5個くらい用意したほうがいいかもしれません。
逆に、トイレを片付ける人は少ないけど在宅が長く、猫ちゃんもそれほど
トイレの綺麗さにこだわらないタイプであったら
2個もしくは1個でも十分かもしれません。
ちなみにシッティングで伺うお家でも猫トイレの個数はさまざまです。
4匹に対し、2個。4匹に対し、3個。
1匹に対し、1個。1匹に対し、3個。
など、本当ににさまざまです。
ですので「頭数+1」だけが正解だと思わないでくださいね。
5.実体験からの猫トイレの種類と特徴
それでは、猫用トイレの種類とその特徴をご説明いたします。
ここではシッターが自宅やお客様宅で使用経験のあるものだけに限らせていただきます。
①システムトイレ(蓋なし)
下にトレーがついた2層式のトイレです。
トレーに専用のトイレシートを使用することで、長く清潔な状態が保てます。
シートを敷かずにオシッコをトレーに溜めることで量や色で健康観察もできます。
シッターの家でも使っていますし、シッティングで伺うお家でも多く使われています。
◆良い点
・砂やシートの組み合わせで清潔な状態が保ちやすい
・シートを敷かずにオシッコをトレーに溜めると量や色で健康観察が出来る
◆いまいちな点
・専用の砂が大きな粒なので、脚に触れる感覚が猫ちゃんが気に入らないケースも
・上段の溝に砂がつまりやすい
・上記の理由で、丸洗いが面倒くさい
・専用のシートや砂が比較的高価
②システムトイレ(蓋つき)
①で紹介したトイレにドーム型の蓋がついているタイプです。
蓋なしのオープンタイプと同じような特徴がある他に、蓋つき独特の特徴もあります。
◆良い点
・囲われているので、砂が飛び散りにくい
・囲われていることで安心して用を足せる猫ちゃんには向いている
◆いまいちな点
・囲われている分匂いがこもりやすい
・匂いが外に出にくい分、用を足していることに気づきにくい
・入口が狭いので掃除がしにくい(いちいち蓋を外すのが少し手間)
・体が大きめの猫ちゃんには窮屈に感じる
◎蓋なし、蓋つきともに、お留守が多いお家でよく使われる傾向があると実感しています。
③箱型トイレ
一番オーソドックスな猫トイレです。
形状も四角・オーバル・丸など様々ですし、大きさも豊富なのが特徴です。
このタイプのトイレは我が家でも使用していますし、お客様宅でも多く使用されています。
◆良い点
・色・形状・大きさが豊富なので好みのものを選びやすい
・部品が少ないので丸洗いしやすい
・いろいろなタイプの猫砂との相性が良いので、組み合わせで猫ちゃん好みに出来る
◆いまいちな点
・汚れやすいので、比較的頻繁に丸洗いが必要
・浅いタイプだと砂が飛び散りやすい
④上から入る猫トイレ
深型で上